「障害者でも性欲があります。よかったら性のボランティアをやってみませんか」
 男はインターネットの掲示板に書き込みをした。
 掲示板を見てメールをくれた人のうち、実際に会った女性はふたりだ。
 ひとりは二十三歳のパソコン専門学校の女性で、一度会って話をしただけで、性のボランティアは断られてしまった。
 もうひとりは、二十二歳のOL。「当たり前のことだから私が手伝います」とメールには書いてあった。
 その数日後、男性はOLと会い、そのままふたりは池袋の障害者トイレに吸い込まれていった。
 時間がなかったのか、それとも割り切っているのだろうか。OLの女性は恥ずかしがることもせずに、手早くブラジャーをはずし、便座に座った。男は車いすに座っているので、こうするとちょうど高さがあうのだ。そして、男の性器に添えた手を動かしはじめた。
「口で舐めて・・・・・・」男は頼んだが、それは拒否された。
 挿入はしないという約束はあらかじめしていた。それはわかっていながらも、試してみたいという気持ちがわいてきた。しかし、「ホテルならまだしも、こんな場所で」と思い、言葉にできなかった。